私は現在、重症心身障害児である長男の介護と
(介護という言葉は好きではないのですが、わかりやすいので使います)
健常児である次男の育児をする毎日、
いわゆるダブルケアの生活を送っています。
本当に介護も子育ても、自分のペースでできないことだらけですよね。
そして2つ揃うと、もう自分の時間はないに等しいのです^^;
自分のペースで過ごせないって何がツラいの?
さて、ある日の我が家のお話しです。
今日は前々から予定していたお出かけの一週間前。
寒さのせいかいつもより多い長男の分泌量。
「お出かけ控えてるから風邪ひかないでね~」と
悪化させないべく、排痰ケアを約2時間かけて入念にします。
けれど、夜さらに増えてくる分泌物。
加えて色も黄色く、こうなると体調も黄色信号です。
「うわ~、これは今のうち予防薬服用はじめた方がいいかも」
急いで往診医にTELする私の傍らでは、
保育園から帰った次男が「お腹すいた~」と夕飯を急かしてくる。
「バナナでも食べてて」と一時静かになるけれど、
今度は一人遊んでいたブロックのロボットがうまく作れないとかで
「できない~!!ママ、やって~!」と泣きわめいている。
次男の泣く声でよく聞こえない中、往診医に長男の状態を説明していると、
長男の目が見開き、こんな時に限って発作が起きる・・・
これは我が家のよくある光景です^^;
こんな時、家事はまったく進みません。
長男か次男が体調を崩し、予定が変更になることしょっちゅうです。
こんな夜はゆっくり睡眠を取ることもできません。
常に振り回されている感覚なので、正直
うつや虐待なんかも他人事とは思えません。
それでは、自分のペースで過ごせないことでツラく感じることと
そこから失うものも一緒に箇条書きにしてみました。
- 予定が立てづらい → 意欲がなくなる
- 休みたい時に休めない → 体調悪くなる
- 自分の時間がとれない → ストレス発散できない
- 自分の体調や気分おかまいなし → 生気が失われる
- 突発的なことに追われ、やるべき事が進まない → 自信がなくなる
- 孤独 → 落ち込みやすくなる
また、介護も育児も24時間体制のため、こんなことも。
- 睡眠時間が保証されない → 睡眠不足
- 24時間頭が休まらない → パワーがなくなる
また、うちの長男は良くも悪くもほぼ動けないため問題でないですが、
介護において暴れたり、叫んだり、暴言を吐いたり、そんな方もいます。
育児でもイヤイヤ期や反抗期など、特に手のかかる時期もあります。
こんな場合はさらに辛く、神経がすり減るだろう、と想像します・・・
なぜ自分のペースでできないのか
では、自分のペースで動けないのは、なぜなのでしょうか。
3つ、あげてみました。
- 人間を相手にしているから
子どもはいつでも真剣で全力です。
感情や要望を力いっぱい遠慮なくぶつけてきます。
それに向き合うには、同じ真剣さが必要です。
重症心身障害児は、自分で動いたり伝えたりができません。
表情・動き・心拍・発作・呼吸・・・
あらゆるものから状態を察して、すぐに対応することが必要です。
- 容易に体調が悪化するから
子どもも重症心身障害児も、体調を崩しやすく急変もしやすいもの。
体調の変化に応じて、素早く適切な判断と行動が必要です。
体調不良時は、その対応が何より優先すべき事になります。
- 手を抜くことに罪悪感を感じやすいから
仕事や家事に比べて、より手を抜くことに抵抗を感じるのではないでしょうか。
手抜きなんて不謹慎だ!無理して当たり前!という世間の目が、いまだありますよね。
これを意識しすぎると、息抜きやストレス発散にさえ罪悪感を感じてしまうことも。
うまくやっていくには
いかに
ペースを乱されても動じないか
自分の時間を確保できるか
介護や育児の生活をうまくやっていけるかどうかは
この2つにかかっていると思います。
ペースを乱されても動じないために
- ペースは乱されるものだ
ペースが乱されて当たり前の介護と育児です。
予定通り行く方がおかしい、予定通り行ったらラッキー!
そんな風に思っておきましょう。
そして、うまくいかなかったことは、友達なりSNSなりに
話して、ぜひネタにしてしまいましょう。笑
- 余裕を持って動く
何をするにも時間がかかる介護と育児。
いつ体調が崩れるかわからない介護と育児。
スケジュールは決して詰めず、臨機応変に。
常に、1時間前行動でちょうど良い我が家です。
- 準備や予防に力を入れる
ペースが乱される原因は、体調不良やケガやトラブルなど突発的なもの。
例えば、体調を崩さないよう規則正しく過ごす、ケガしないよう安全確認する、
お腹すいて機嫌悪くしないために早くから夕食準備しておく、など。
そもそも突発的な出来事が減るように、準備や予防にこそ力を入れるべきだ!
そう気づいたのは最近です。
- あらゆる事態を想定しておく
避難訓練と一緒で、最悪の想定をして訓練しておけば
いざという時適切な行動ができるし、日ごろの安心にもなります。
ネガティブとは違う、最悪の想定から対策や心構えを考える訓練です。
自分の時間を確保するために
- 効率的に動く
マニュアル等を作って頭で考える時間を短縮
タイマーで動いたり、音楽に合わせて動いてみる
成り行き任せでなく、一日のスケジュールを書いて過ごす
などテキパキこなすと自分の時間が増える!と
自分の時間を手に入れるゲーム感覚で動くといいです。
- できないことや無駄なことはやらない
本当に必要なことと、できる量を洗い出します。
例えば、介護で言えばマッサージや訓練など、
育児で言えばお勉強や絵本読み聞かせなど、
してあげたいことは山のようにあるものだけれど
絶対に全部はできない。選別が非常に大事です!!
- 人や機械に頼る
頼れるものは何でも頼るべきです。
本当に時間を取りたい、スキンシップや家族の時間を増やすためです!
頼る先は多ければ多いほどいざという時にも心強く、困りません。
我が家は、訪問看護・訪問ヘルパー・保育園や通所の先生、
たくさんの人に助けてもらって回っています。
機械だと、食洗機やドラム式乾燥機、外出専用吸引器は特に
時短に貢献してくれています。
- 割り切る
私で言えば、子ども達への考え事は尽きません。
けれど、四六時中考えていたのでは身が持ちません。
接する時は真剣に接する。
リフレッシュする時は真剣に子を忘れてリフレッシュする。
そんな風にメリハリ付けると良い状態でいられます。
おわりに
このように、介護も育児も自分のペースでできないことだらけなんです。
それに屈せず介護や育児生活を楽しむためには、
相手より自分を大切にしたり、割り切ったり、手を抜いたり
一見非情かもしれないこれらの事こそ
お互いの幸せな介護と育児を続けていくコツだと気づきました。